No,25・・・市内の発掘調査[1]
最終更新日:2019年1月25日
近年、市内では水子地域や諏訪地域での開発が進み、遺跡の発掘調査件数も増加傾向にあります。市内の発掘調査で、どのようなものが発見されているかご紹介します。
【氷川前遺跡】
水子貝塚公園周辺から西側に広がる遺跡で、これまでに縄文時代から平安時代にかけての住居跡など、先人たちのこん跡が多数確認されています。平成24年度には氷川前遺跡の4か所で調査が行われ、そのうち3か所で遺構が確認され記録を保存するための発掘調査が行われました。
調査地点『1』
氷川前遺跡の西端で、富士見江川の支流により削られた谷を前方に臨む斜面地です。発掘調査を行った結果、縄文時代の炉穴、平安時代(9世紀後半~10世紀初頭ごろ)の住居跡12軒、掘立柱建物跡、地下式坑(縦に掘り下げた地下室)、段切遺構(斜面地での土地造成の跡)、階段状遺構など多くの遺構が発見されました。平成7年と9年に行われた本地点の両側に広がる斜面地での調査でも、多数の遺構が確認されており、特に平安時代の住居跡は、今回のものと含めると27軒になります。大規模な平安集落が広がっていたことがうかがえますが、平坦な台地上でなく急こう配の斜面地にわざわざ築いたのはなぜなのでしょう。今後の調査で、判明していくことができればと考えています。
氷川前遺跡の西端、富士見江川の支流により削られた谷を前方に臨む斜面地
出土土器
調査地点『2』
水子貝塚公園の東側隣地で、平安時代住居跡2軒が確認されました。同じ氷川前遺跡内ですが、その東端にあたり、『1』で確認できた集落とは異なる集落と考えられます。住居跡からは土師器や須恵器のほかに鉄製の手斧が出土しました。
出土した手斧
案内図
遺跡周辺地図
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