No,16・・・路傍にたたずむ石造物
最終更新日:2019年1月25日
富士見市内を歩いていると、道端にたくさんの石造物を見ることができます。これらは民間信仰にまつわるものがほとんどで、その種類は様々です。庚申塔や馬頭観音、地蔵尊など、富士見市は近隣と比べても数が多く、目にした方も多いと思います。今回はこれら石造物のなかでも、少し変わったものを紹介します。
百観音
上沢の東上線沿いの高台に薬師堂があり、参道を歩いて右側奥に整然と並ぶ百体の石仏が目に留まります。西国三十三か所、坂東三十三か所、秩父三十四か所の札所の合わせて百か所の本尊である観音像が、一番から順に並んでいます。幕末から明治初年にかけて建立された百観音には、当時の人々の観音巡礼や石仏への信仰の厚さがしのばれます。
天狗像
上沢の薬師堂から県道ふじみ野朝霞線を越えて北へ歩いて10分のところに、修験者が信仰していた不動尊を本尊とする関口不動堂があり、このお堂の前の道を挟んだ路傍に天狗の立像があります。天狗像は元は藤久保の地にあったものが奉納されたもので、修験の姿をし、背には翼、右手に八手の葉のうちわを持ち、にらみを利かせた表情をして立っています。
大型板碑
不動堂からさらに北東方向へ5分程歩き、道沿いに見えてくる観音堂境内には、貞治4年(1365年)の大型板碑があり、高さは123.5センチメートルあります。板碑には死者の冥福を祈る追善供養と自身の極楽往生を念願する逆修供養のものがありますが、この板碑は逆修供養としては市内最古のものです。さらに道を北へ10分ほど歩くと左手に護国寺があり、境内には2基の大型板碑が建っています。この板碑は建長4年(1252年)に造られ、南畑新田の慈光院跡にある板碑と並び市内最古のものです。護国寺の2基については、高さ3メートル近くもあり市内最大のものでもあります。昭和50年・58年に市指定有形文化財になっています。
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