NPO法人 女子硬式野球サムライ(スポーツ)
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取材レポート 平成26年7月6日実施
思いの分だけ、強さがある
~NPO法人 女子硬式野球サムライ~
梅雨の晴れ間となったすがすがしい青空の下、川越市の尚美学園大学グラウンドにて女子硬式野球「ピュアレディカップ」準決勝戦が開催されました。
この大会は、2014年にできた新しい大会で、高校・大学・社会人などさまざまな年代のチームが対決します。
今回は、平成国際大学との一戦です。
赤のユニフォームがサムライです。
すべてに「全力投球」
ポジション | 背番号 | 名前(敬称略) |
---|---|---|
ピッチャー | 24 | 黒崎 |
キャッチャー | 0 | 直井 |
ファースト | 20 | 安部 |
セカンド | 34 | 秋葉 |
サード | 36 | 六角 |
ショート | 6 | 大沼 |
レフト | 2 | 村山 |
センター | 5 | 松本 |
ライト | 10 | 新宮 |
1回表、マウンドに立ったのは背番号24番の黒崎選手。
幾度となく続くピンチを打たせて取るなど、3回まで登板しました。
1回裏の攻撃になると、2点を追うサムライはヒットで1点を返します。
4回からはピッチャー交代です。黒崎選手に代わって背番号16番の磯崎選手が守り、逆転のチャンスを狙いました。
さて、サムライの攻撃中のことでした。
選手たちが笑顔で、ときには手拍子をしながら歌っています。
実は、出番を待つ選手たちがバッターに送る、元気いっぱいの応援歌でした。聞いていると、各選手にちなんだ愛称がありました。
スタメンの選手も控えの選手も、全員で野球をしている。そんな思いを感じ、温かい気持ちになった瞬間でした。
選手の意外な一面を知ることができるのも、実際に観戦をする醍醐味ですね。
試合は、センターの松本選手が盗塁を成功させるなど、白熱した試合が続きました。
ボールを最後まで追い続ける選手、全力で諦めずに1塁まで走りきる選手、声をかけあう選手―――。
「思い切り野球がしたい!」
最後まで一生懸命な思いがあふれる試合でした。
最終回7回は、10番新宮さんがマウンドに立ち、追加点を許しませんでした。
健闘の末、惜しくも負けてしまいましたが、サムライはベスト4まで進みました。
最後まで相手チームの選手や、審判への感謝を大切にする姿が印象的でした。
観戦席からは両チームをたたえ、拍手が送られました。
ひたむきに、ひたすらに
女子硬式野球サムライの創設は11年前のことでした。最初は、10人ほどのメンバーで始動しました。
「女子硬式野球を普及させたい!」との強い思いのもと、平成25年にNPO法人化し、試合で輝かしい結果を残しながら全国各地でイベントを開催するなど、積極的な活動を行っています。
選手の皆さんは、中学生から40歳代の方までとさまざまで、社会人の選手もいます。
仕事は、野球教室や男子プロ野球チームの事務、お菓子工場など、野球関係のものからそうでないものまで多岐に渡ります。
平日は仕事から帰って自主練習をし、土曜・日曜・祝日のみ、みんなが集まって練習をしているとのこと。
その原動力はどこにあるのでしょうか。
「みんな野球が大好きなんです。中には遊びたい子もいるのでしょうけど、一人ひとりの努力がサムライを支えていると思います。本当にみんな一生懸命なんですよ。」と事務局長の大沼さんはおっしゃっていました。
理事長の矢尾さんも今回仕事のため不在でしたが、そのような忙しい中でも、事務局は選手を全力でバックアップしています。
サムライは、全国の学校やクラブチームが集まる「全日本女子硬式野球選手権大会」に毎年出場し、優勝2回、準優勝2回、3位1回の経験があります。
クラブチームには企業などがスポンサーとしてつくそうですが、これだけの結果を残していても、スポンサーを獲得するのは決して容易ではないといいます。
試合や合宿などの遠征費は個人負担。
ボールも、硬式は定価1球1,000円かかるそうで、会員から集めたお金とスポンサー代を合わせて、やりくりをしています。
「本当は遠征費だけでも負担してあげたいのですが…」と直井副理事長はおっしゃっていました。
そして、何よりも大きいのが、指定の練習場所がないことです。県内のあらゆるグラウンドに連絡し、練習できる場所を探しています。
天候に左右され、雨の日は外のグラウンド練習が中止になることも。
ひたむきに野球を愛する選手。
勝利の理由は、こうした揺らぎのない「思い」の強さ、そして一途な努力だと感じました。
公立高校から、機会を
硬式野球の男子プロチームはテレビでも中継されていて、一般的によく知られていますが、女子チームはあまり知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
直井副理事長は、その理由が、県内では私学にしか女子硬式野球部がないこともあるといいます。
現在、埼玉県内の高校で創部されているのは埼玉栄高校、花咲徳栄高校の2校です。
「公立高校に女子硬式野球部ができれば、興味を持ってくれる子が若いうちから増えて身近な存在となり、もっと普及するはずです。
でもこの4~5年の間に女子硬式野球会は大きく変わってきているので、今後は大いに期待できます。」と直井副理事長。
関東女子硬式野球連盟が主催するヴィーナスリーグは、以前は学生のチームと社会人のチームをすべて合わせても、10チームあるかないかだったそうですが、今では33チームも出場する大会となりました(平成26年7月25日現在)。
変わらない思い
サムライには一つの大きな思いがあります。
―――女子硬式野球を普及させたい!
その気持ちと共に、現在まで努力し続けてきました。
支えてくれる人、見てくれる人、応援してくれる人、そして指導者にも感動を与えられる所以は、ここにあります。
現状に甘んじることなく、次のステップへ。
選手のはじける笑顔とともに、元気な声がグラウンドに響き渡っていました。
「胸張って!」という六角キャプテンのかけ声とともに、ばっちり決めてくださった選手の皆さん
女子硬式野球普及イベント
昨年12月、富士見市内にある県立富士見高校で、また、今年6月には新潟県でも、イベントを行っています。
富士見高校で行われた「SAMURAI GIRL’S BASEBALL FESTA」では、初心者でも参加可能な野球体験・野球教室を開き、約70人の子どもが参加したそうです。
「宣伝費もあまりかけられなくて」と、ホームページやSNS上だけでの呼びかけだったそうですが、情報を見たたくさんのファンの皆さんが来てくださったとのことでした。
大沼事務局長も、印象的な出来事だったそうです。「選手がいきいきとしていて、子どもたちもとても楽しそうでした。」
ふれあいを大切にするサムライの今後のイベント、憧れの選手に教えてもらうチャンスです!
これからもますます楽しみですね!
富士見高校イベントチラシ
新潟県イベントチラシ
ワールドカップ日本代表候補・サムライキャプテン 六角彩子選手!
試合でも、サードとして活躍していた六角選手。日本代表候補としても活躍されるサムライのキャプテンに、試合後お話しを伺うことができました!
- 野球を始めたきっかけはなんですか。
お兄ちゃんがやっていたからです。同じ理由の人がたくさんいますよ。
- サムライさんは富士見高校でイベントを行うなど、地域とのつながりを大切にされていますね。想いをお聞かせください。
富士見高校の時も小さい子がたくさん来てくれて、私たちも本当に楽しかったです。
女子硬式野球を富士見市から!伝えていきたいと思っています。私たちが強くなることも普及の1つになると思います。
試合が終わってお疲れのところ、気さくに話してくださったさわやかな笑顔の六角キャプテン。
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と帽子を取って、私たちに深々とお辞儀をして、見送ってくださいました。
グラウンドの表情とはまた違ったかわいらしい表情の中に、まっすぐ芯のある印象を受けました。
ワールドカップ日本代表へ
今年9月に、宮崎県で女子硬式野球のワールドカップが開催されます。
3連覇中の日本代表候補には、サムライから六角選手、新宮選手、磯崎選手が選ばれています!
これから行われる最終合宿を経て、代表選手が決定します。
前回はカナダ・エドモントンで行われたこの大会、今年は日本国内で見られる貴重な機会です。4連覇に向けて、応援していきましょう!
ポスター
活動に興味がある方は、ぜひ法人にお問い合わせください。
(PDF:1,829KB)
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お問い合わせ
協働推進課 自治・防犯グループ
〒354-8511 埼玉県富士見市大字鶴馬1800番地の1 市庁舎2階
電話:049-252-7121
ファックス:049-254-2000
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