協働事業提案制度 「世界が広がる!!学校では教えてくれない授業」を開催しました。

市民の学びの機会の充実と国際理解の促進を目的に、地域住民が持つ知識・経験・人脈等を活用し、国際理解につながる学びの機会を子どもたちに提供することを目指し、早稲田大学校友会富士見三芳稲門会と富士見市文化・スポーツ振興課の共催により「世界が広がる!!学校では教えてくれない授業」を令和6年12月7日（土曜日）ふじみ野交流センターにて開催しました。講師には早稲田大学考古資料館学芸員・東日本国際大学客員准教授・馬場匡浩氏にご登壇頂き、70名の参加がありました。

エジプトのギザにある3大ピラミッドはクフ王、カフラー王、メンカウラー王が建てたと言われています。
石を切り出し、ソリを使用して石を運び、積み上げるといった過程でピラミッドは建てられました。
クフのピラミッドは約230万個の石のブロックでできており、23年間で建設されたので、1年で10万個、1日300個なので、2分に1個のペースで積んでいた計算になります。ピラミッドは奴隷ではなく、「エジプト人」が労働者として働いていたという説が有力です。ギザには労働者の町が発見され、約2.5万人の人が住んでいたと言われ、労働者には潤沢な食材が用意され待遇は良かったと考えられています。

古代エジプトでは、死んだ後も、肉体を保存しておけば、また魂が戻って生き返ることができると信じられ、ミイラ作りが盛んに行われていました。ミイラ作りはこのように行われていたようです。水を抜くことが一番大切なポイントだそうです。
（1）遺体に穴をあけて臓器を取り出す
（2）ナトロン（しお）で覆って40日間放置し脱水する
（3）亜麻布（リネン）の包帯を巻く

5000年前エジプト人は、男性は腰巻き、女性はチュニックと呼ばれる衣装を着ており、子供は裸で生活していたと言われています。
仕事は女性は家の中で布織り、パン作りなどを行い、男性は家の外で工房でワインづくり、やもの作りをしていました。
また、5000年前エジプト人は「パンを食し、ビールを飲む人々」と呼ばれていました。現在もエジプト人はパンをたくさん食べます。
パン、ビールの原料は古代に使用されていたエンマー小麦であり、ビタミン、ミネラルが豊富で、貴重な栄養源になっていました。
古代のビールは今のビールとは違い、ろ過が不十分で、乳酸飲料を麦茶で割ったような飲み物だったようです。再現した古代のビールを馬場先生も飲んだことがあるそうですが、あまりおいしいものではなかったとのことです。
また、馬場先生は起源前3600年前（今から5800年前）のエジプト最古・世界最古のビール工房を発掘されました！

馬場先生は高校2年生の時、テレビで吉村作治先生のエジプトの考古学についての番組を見たことをきっかけに、考古学者を目指しました。
毎日十三時間の猛勉強の結果、見事早稲田大学へ合格しました。
また、学生時代に友人とバックパックの旅に出た話や、考古学研究室の調査隊としてエジプトで発掘調査を行ったときの吉村先生との貴重なお話を聞くことができました。
馬場先生からは、「新しい知識を得る楽しさを実感しながら、勉強に取り組むと良い」とアドバイスをいただきました。

アラビア語のあいさつについて学びました。
「こんにちは」アッサラーム・アライクム（あなたの上に平和がありますように）
「おはようございます」サバーハル・ヘイル（いい朝）
「こんばんは」マサーアル・ヘイル（いい夜）
みんなで声に出して練習しました。外国語は声に出して練習するのが一番！

ヒエログリフのアルファベット表を参考にして、自分の名前をヒエログリフで書いてみました。鳥の絵の文字など書くのがとても難しいけれど、みんな初めて見る文字に興味深々。楽しみながら書いていました。また、「ヒエログリフスタンプ」で自分の名前を押してみました。

最後はアラビア語で、じゃんけん大会を行い、会場は大盛り上がり。勝った人には馬場先生から記念のボールペンのプレゼントがありました。
グー:ハジャル（石）、チョキ:マース（ハサミ）、パー:ワッラー（紙）

馬場先生と記念撮影。いい思い出となりました。好きなことを仕事にされた馬場先生の話、現地のお話を一生懸命メモを取りながら目を輝かしながら聞いていました。

・実際に考古学を何十年も携わってこられた方のお話を聞けたことは、大変貴重でした。ピラミッドのことだけではなく衣食住を知ることができたり、学ぶことの意義を伝えて頂けたことが素敵でした！
・考古学者になるためには想像以上にハードな経験が必要な職業だと分かって勉強になりました。
・古代エジプトや今のエジプトの様子が分かりました。ヒエログリフが難しかったです。
・知識だけではなく、考古学の楽しさが伝わり、とても楽しかったです。