協働事業提案制度採択事業「手話を知るための講演会」の実施状況について
最終更新日:2019年1月25日
手話を知ってもらうと共に、聴覚障がい者について理解を深めてもらうため、富士見市社会福祉協議会と市の協働により、講演会を開催しました。
「第2回手話を知るための講演会」を開催しました
平成30年2月12日(月曜日)キラリ☆ふじみのマルチホールにて開催しました。
今回の講師は、田中清(たなか きよ)さん。田中さんは、「CODA(コーダ)」と言われている、聴覚障がい者(ろう者)の両親を持つ聴者です。このCODAの立場から、「手話は言語」というテーマで、講演がありました。
240人という多くのかたが来場され、田中さんのお話に笑ったり、涙したりして、熱心に聴いていました。
手話は、目で見る言葉です。手話で大切なことは、表情豊かに心の動きを表しながら伝えること、目の前にそのイメージが湧くように表現すること、相手の目を見ることです。
「キレイ」という手話を来場者も一緒に表現し、その大切さを体験し、実感してもらいました。
田中さんが最初に覚えた言葉は、音声言語ではなく手話でした。両親が手話で話しかけていたので、自然に覚えたそうです。
病院では、聞こえる両親から生まれた子が、ろう者であることが分かると、話しかけてください、耳が聞こえる子のようになりますと言われるそうです。田中さんは、なぜ手話の存在を伝えてくれないのか、疑問を覚えました。
以前、手話は「手まね」と言われ差別されていた時代があり、ろう教育では口話が中心となっていました。訓練により少し発音ができるようになると、聞こえると誤解されることがあります。ろう者にとって、「聞く」「話す」「書く」は当たり前ではないのです。
ある、60代男性のろう者から「本が読みたい」と言われ、「鶴の恩返し」を手話で語りました。それを見た彼は、子どものころ、本で読んでも分からなかった内容が、手話で見ることによって初めて分かったと非常に喜んでくれました。聞こえない人たちにとって、文字と手話はまったく別のもので、手話であれば、生きた言葉として伝えることができるのだと気付かされました。
田中さんが子どものころ、父と友人が手話で話していると、周囲の人が遠巻きで口々に侮辱したり、父が運賃の割引を受けに駅の事務室へ行くと、事務員から敬遠され追い返されたりということがありました。田中さんは父が受けている差別を感じました。
また、田中さんへも両親のことで偏見やいじめがあったとき、目を見て話す母にはすぐ気付かれしまい、「私がろう者だからごめんなさい」と泣いて謝られました。
田中さんは、父や母に責任はないと考えるようになり、次第に心が強くなっていったそうです。
今回の講演会を企画・運営したみなさんです。
「第1回手話を知るための講演会」を開催しました
平成29年5月27日(土曜日)キラリ☆ふじみのマルチホールにて、早瀬憲太郎さんを講師に迎え、講演会を開催しました。
早瀬さんは、元「NHKみんなの手話」の講師であり、平成28年にはV6三宅健さんとNHKリオパラリンピックのキャスターを務めました。自身もろう者であり、ろう者向けの学習塾の経営を行うほか、ろう者向けあるいはろう者をテーマとした映像・映画の製作を行っています。奥様は、聴覚障がい者で初の薬剤師となった早瀬久美さんです。
テーマ「手話は言語~音声日本語とのちがい~」について、早瀬さんから、楽しく、わかりやすく語られました。
そのちがいは・・・
例えば「洗う」であれば、音声日本語では1つの言葉しかありませんが、手話では顔や身体など「何を」洗うかによって、表現が変わります。
また、手話は4つの位置と12の方向を用いて、同時表現をすることができるので、伝えたいことがすぐわかります。
講演にあたっては、手話通訳者による通訳と、要約筆記による通訳、磁気ループ席を用意し、さまざまな方への情報保障の工夫をしました。
当日は147人の方が来場し、会場のみなさんも時折手話を交えながら、早瀬さんのお話を熱心に聞いていました。
今回、覚えていってもらいたいと、早瀬さんから教わった手話、「あなたに」「会えて」「うれしい」も、みなさんでやってみました。
90分間の講演会でしたが、時折笑いを誘う楽しいお話で、あっという間に時間が過ぎ、惜しまれつつ終了しました。
司会や受付、会場案内など、今回の講演会のお手伝いをしていただいた「富士見市聴覚障害者の会」と「富士見手話サークル」のみなさんです。
次回の講演会は、来年2月を予定しています。
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