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羽沢遺跡出土縄文土器(埼玉県指定有形文化財)

最終更新日:2021年7月15日

 羽沢遺跡(羽沢1丁目)は、縄文時代中期後半(約5000年前から約4500年前)の遺跡で、これまでの発掘調査で100軒以上の竪穴住居跡が発掘されています。
 1984年に第40号住居跡から、獣の顔と尻尾のような立体的な装飾が付いた土器が出土しました。この土器は、獣面装飾付土器と呼ばれ「ムササビ土器」の愛称がつけられています。高さが53センチメートルもある大型の土器です(底部は欠損していたため復元しています)。
 大きく広がる口縁部に付けられた2基の立体装飾は、向かいあう猪と人の顔を誇張したものであることが近年の研究で明らかとなっています。獣の顔に見える部分は猪の胴体で、内側の半円が鼻、その上に吊り上がった目と耳が付けられています。猪装飾は長野県、山梨県、神奈川県、東京都、埼玉県で約50例が出土しています。一方の尻尾に見える部分は、ミミズク把手や双環装飾といわれ、この時期に多用される装飾です。
 同じ住居跡から出土した土器とともに、約5000年前の縄文時代中期の土器セットがわかる良好な資料であるとして、1998年に埼玉県指定有形文化財に指定されました。


埼玉県指定有形文化財 羽沢遺跡出土縄文土器

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